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No.511 住まいと健康
2025年4月から住宅を含むすべての建築の省エネ基準への適合が義務化される。環境性能への関心、取り組みが広がる一方で、性能や数値を追い求めることだけが目的になれば、本来の心地よさや美しさなど空間としての魅力が損なわれてしまう可能性もある。日本の伝統木造はそうしたものとは別世界のものとして語られることもあるが、土間や軒下空間など数値だけでは分からない心地よさがある。
この特集では、人が健やかに暮らすためにどのような工夫が必要かさまざまな実例を紹介するとともに、性能・技術的なこと以前に、健康な住まいとは何か、人にとっての快適な環境について考える。
No.509 地域のなかの建築 地域を育む建築
2020年から続いたコロナ禍が落ち着いてきた頃、2024年元旦に能登を地震が襲い、9月には豪雨が再び能登を襲った。生活を脅かす出来事が続き、働き方の変化や移住など転機になったという人もいるだろう。こうした大きな出来事の一方で、日本各地で高齢化、人口減少がじわじわと進んでいる。かつて各地で巨額の税金を使った大型施設が建設され、ハコモノ行政と批判された。一方で近年は、大きなお金を使って建てて経済を動かすのではなく、小さくても持続できる方向にシフトする人や地域が増えてきている印象がある。自分にとっての「豊かさ」を見つめ直し、その土地の自然や文化、産業を生かし地域が抱える問題と向き合おうとする人たちが増えていると言えるのかもしれない。建築は基本的に不動で、建築の周りは変化してゆく。建築はそうした変化も受け入れながら、常に人の居場所であり続ける。さまざまな転換期をむかえるいま、地域で建築をつくることの意味、建築の役割を問う。