DETAIL
あらゆるものは、「歴史化」することを宿命とする。過去を蓄積することで、現在、そして未来へとつながっていくからである。それは「造園」においても同様であり、過去の造園を学ぶことで、未来の造園を開拓することこそ、「歴史方法論」としての造園史学の存在意義である。
本書は、明治維新後の文明開化により西欧の造園思潮を受容し、公園というあらたな造園空間を生み出し、また職能としての造園家、学問としての造園学が成立した「近代」に絞り、重要な造園史上の歴史的事実を取り上げつつ、数々の近代造園家を紹介する。現代造園のルーツとしての近代を理解することは、あらゆる意味で未来志向型の造園学に役立つであろう。